12月16日チェコ財務省より、キューバからチェコに対する債務をラム酒や医療品などで返済できないかと提案されいたことが発表されました。

債務は総額2億7000万ドルにも及び、チェコの大臣はこの提案に対して「おもしろい選択肢だ」と述べたということです。

 

世界におけるチェコの一人当たりのビール消費量は、2014年に発表されているキリンビール大学のレポートによると22年間連続で一位。EUの統計局の報告によると、チェコによる2015年のラム酒輸入額は約200万ドルに達しているようで、これは債務全体をラム酒で返済した場合、約130年間分のラムを保有することができるとみられています。

一方、チェコのメディアによって、キューバの2億7000万ドルにも及ぶ債務返済に関する協議は昨年末から開始されたにもかかわらず今だ総額を集計しているという批判もあり、チェコの財務省は、古い債務の返済方法に関する交渉はまだ「初期段階」であり、債務の少なくとも一部を現金で支払うことを希望していると強調しています。

 

このチェコに対するキューバの債務は、1993年にチェコ共和国とスロバキアに分裂する前の共産圏であるチェコスロバキアの遺産であり、協議が遅れている理由の一つとして債務の大半がソビエトルーブルでカウントされているため、既存の通貨に換算し直さななければならないという問題を含んでいます。

チョコ財務省がこの古い債務をラム酒や医療品を含めた品物で受け取ると決断した場合、現在EU加盟国であるチェコとしては、キューバの医薬品はEUの認証を受けていないためほとんどの医薬品による返済は実現性が高くありません。

しかしこの物品による返済については、ソビエト時代の共産主義諸国は支払いの一つの形態として品物を渡していたといいます。キューバは定期的にソビエトに対して燃料と砂糖を交換していたという事実もあり、どのような決着がつくのかわからないところでもあります。

ファイナンシャル・タイムズによると、2010年に北朝鮮はチェコ共和国に1000万ドルの借入金の5%を朝鮮人参と共に支払いしようとしたことがあり、チェコ当局はこの申し出を喜びはしませんでしたが、代わりとして亜鉛を求めたといいます。

この他の事例でも2010年にドミニカ共和国はベネズエラの原油と引き換えとして、黒豆やパスタ、砂糖を送ることに同意しています。翌年、ガイアナは17万トンの米で出荷し、ニカラグアは肉、牛乳、2万ペアにも及ぶ衣料品を含んだ品物を送っています。一方のキューバは医師や軍事顧問、教師をベネズエラに送っていました。

 

チェコ財務省が一体どのような契約を結ぶかについてはまだ言及されていませんのでわかりませんが、債務の一部をラム酒で支払うというのはキューバの歴史、延いてはラム酒全体の歴史を彷彿とさせるものであり、個人的には大変興味深いものです。

現代でもこのようなラム酒における取り引き関係の一つとして注意深く見守っていきたいと思います。