モレ・サン・ドニはジュヴレ・シャンベルタン村とシャンボール・ミュジニー村に挟まれた小さな村で、この二つの村の有名ワインと比べると知名度が低い印象がありますが、醸造家たちの努力によって現在ではコート・ドールの中でも注目されている地域の一つにあたります。

 

モレ・サン・ドニ村を縦に横断するグラン・クリュ街道のN74(国道74号線)を中心として、東側にはモレ・サン・ドニを代表的する著名な畑が並んでいます。

畑は標高220m~270mの東向きの日当たりのよいなだらかな斜面に位置しており、土壌は石灰岩と粘土石灰岩。上部は魚卵状石灰岩で、斜面の低い位置はウミユリの化石岩からできています。

栽培されているブドウの品種は赤ワイン用のピノ・ノワールが主体ですが、少数ながらピノ・グリ、シャルドネ、ピノ・ブランといった品種も栽培されており、ブドウの栽培面積は黒ブドウ86.19ha白ブドウ4.55ha。

グラン・クリュは赤ワインのみですが、村名AOCのモレ・サン・ドニとプルミエ・クリュは赤、白ワインともに認められており、さらにAOCモレ・サン・ドニとAOCモレ・サン・ドニ・プルミエ・クリュはクリマを併記することが認められています。

 

モレ・サン・ドニを一躍有名にしたのはドメーヌ・デュジャックの活躍によるところが大きく、創設者のジャック・セイスはヴォルネイのドメーヌ・ド・ラ・プースドールで2年間ワイン造りを学び、その後、父親から譲り受けた製菓会社を売却したお金で1968年モレ・サン・ドニのドメーヌ・グライエを買収。そして自らの名前をつけたドメーヌ・デュジャックを設立します。

当初4.5haであった畑は徐々に買い足され、今ではモレ・サン・ドニにクロ・ド・ラ・ロッシュとクロ・サン・ドニ。隣りのジュヴレ・シャンベルタンにはシャルム・シャンベルタンとル・シャンベルタン。シャンボール・ミュジニーにボンヌ・マール。そしてヴォーヌ・ロマネのロマネ・サンヴィヴァン。フラジュ・エシェゾーにエシェゾーという7つものグラン・クリュを所有するブルゴーニュでも有名なドメーヌの一つにまでのし上がりました。

そしてコート・ド・ニュイでは珍しく白ワインも醸造しています。

1985年の霜害により一部のブドウが枯死したのを機会としてシャルドネに植え替え、モレ・サン・ドニ・ブランとして発売しました。同じくモレ・サン・ドニ村で双璧をなす老舗のドメーヌ・ポンソと共に、プルミエ・クリュのクロ・デ・モン・リュイザンで白ワインを生産していることでも知られています。

 

 

モレ・サン・ドニのグラン・クリュ(特級畑)

・クロ・ド・ラ・ロッシュ

クロ・ド・ラ・ロッシュ[2014]ドメーヌ・デュジャック(赤ワイン)[Y][P][S]

ラトリシエール・シャンベルタンのすぐ南に位置しており、モレ・サン・ドニのグラン・クリュの中では最大面積を占めています。

クロ・ド・ラ・ロッシェという名前の通り、石灰岩主体の厚さ30cmしかない土壌には、僅かな砂利や大きな石が露出しているのが特徴。

最大生産社はドメーヌ・ポンソになります。

☑17.20ha

 

・クロ・サン・ドニ

ジョルジュ・リニエ / クロ・サン・ドニ [2004]

11世紀にヴェルジー村の教会参事会が開墾した畑になります。

ブルゴーニュ地方の習慣により村の名前にその村を代表する畑の名前がつけられるのですが、クロ・サン・ドニはその名前のとおりモレ・サン・ドニ村を代表するグラン・クリュになります。ドメーヌ・デュジャックやドメーヌ・ポンソが所有していることでも有名です。

丘の麓では粘土が混じり、砂利を含まない褐色の石灰岩土壌。

☑5,45ha

 

・クロ・デ・ランブレ

ドメーヌ・デ・ランブレ クロ・デ・ランブレ [2009]750ml

AOC制定後の1981年にプルミエ・クリュからグラン・クリュへと昇格された数少ないグラン・クリュ。

標高250m~320mの斜面上部は泥灰土。底部では粘土石灰岩土壌となっているのが特徴です。

クロ・デ・ランブレは三つのクリマに分けられており、そのほとんどはドメーヌ・デ・ランブレが所有しているので実質的なモノポールと言われることもあります。数少ない残りの一部はドメーヌ・トプノ・エルムの所有です。

☑8.30ha

 

・クロ・ド・タール

フォルジュ・デュ・タール[2011]クロ・ド・タール(赤ワイン) [Y][P][S]

クロ・ド・タールという名前は、シトー修道会から派生したベネディクト派タール修道院の畑ということから命名されました。1141年から続く伝統的な歴史の中でタール修道院から1891年にはフランス革命によってマレイ・モンジュ家へと所有が移り、1932年にはマコンに創設されたネゴシアン、モメサン家が単独所有しています。現在まで3回しか所有者が変わっていない珍しいグラン・クリュになります。よって現在でもモメサン社によるモノポールです。

標高270m~300mのなだらかな斜面に石灰岩の母岩を40~120cmの厚さの崩落土が広く覆っています。

そしてクロ・ド・タールは畑の細かな違いによってよってさらに6つのクリマ(区画)に細分化されており別々に収穫。クリマごとにステンレスタンクで醸造されているのが特徴です。

☑7.53ha

☑モノポール:モメサン

 

・ボンヌ・マール

[2013] ボンヌ マール 特級畑  750ml (ローラン ルーミエ)赤ワイン【コク辛口】((B0OMBM13))

クロ・サン・ドニ村とシャンボール・ミュジニー村にまたがって存在しているグラン・クリュです。

そのほとんどはシャンボール・ミュジニーに属していますが、より重厚感ある味わいが特徴になります。

※ボンヌ・マールについてはシャンボール・ミュジニー村の畑とワインについての記事で解説しています。

 

モレ・サン・ドゥニのプルミエ・クリュ(一級畑)

・レ・リュショット

☑2.5774ha

・レ・ソルベ

☑2.6758ha

・レ・ミランド

☑4.2123ha

・クロ・デ・ゾルム

☑3.1522ha

・オー・シャルム

☑1.1731ha

・クロ・ボレ

☑0.8703ha

・レ・ブランシャール

☑1.9923ha

・ラ・ビュシェール

☑2.5925ha

・レ・シャフォ

☑2.6186ha

・レ・シャリエール

☑2.2676ha

・レ・シュヌヴレ

☑1.9009ha

・オー・シュゾー

☑1.44947ha

・コート・ロティ

☑1.2298ha

・レ・ファコニエール

☑1.6651ha

・レ・ジュナヴリエール

☑1.1910ha

・レ・グリュアンシェ

☑0.5082ha

・モン・リュイザン

☑5.889ha

・ラ・リヨット

☑2.4659ha

・クロ・ソルベ

☑3.3263ha

・レ・ヴィラージュ

☑0.9036ha

 

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