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グレンモーレンジは1990年代からシングルモルトとしてのみ販売を行っており、ブレンデッドウイスキーとしては一切の販売が許可されていない蒸留所です。

 

創業は1843年、北ハイランドのロス州ティンに誕生したグレンモーレンジ蒸留所ですが、実際に生産が開始されたのは1849年になります。

バルブレア蒸留所の共同経営者ウィリアム・マセソンが古いビール工場を改修。ウイスキーの蒸留所としての第一歩がスタートしました。

1887年に中古のポットスチルを購入します。これはジンの蒸留に使われていたスチルでした。チェルシーのジョン・テイラーのジン蒸留所からもたらされたものです。

しかし、意外にもこのジンのスチルが好評を呼び、それ以来ポットスチルを新調するたびにオリジナルの設計と同じスチルを複製しています。そしてこの時にスコッチウイスキーの中でも初めて蒸気加熱による蒸留設備も導入されました

この年に蒸留所はグレンモーレンジ蒸留所によって購入されています。

 

1976年には2基しか存在していなかったポットスチルは4基に追加されました。この時、モルティング施設は閉鎖されスチルハウスになっています。

1990年にはポットスチルの数は2倍の8基。

さらに2009年には4基のポットスチルが導入され、現在の12基となりました。この時にはポットスチルだけではなくマッシュタンとウォッシュバックも追加されています。

スワンネックと呼ばれている特徴的な背の高いポットスチルは5.14mあります。これはスコットランドでもっとも高いポットスチルです。もちろん先ほどのジンの蒸留器がもとになっています。

 

仕込みに使われている水は、スコッチウイスキーでは珍しく硬水になります。これは石灰岩と砂岩層によって100年以上の時間をかけてろ過されたターロギーの泉の湧水です。

大麦麦芽はスコットランド産のものだけを使用。

現在グレンモーレンジ蒸留所では熟成に力を入れており、アメリカはミズーリ州に広がるマークトゥエイン国有林から原木を自ら買い付け、ジャックダニエルやヘブンヒルなどの大手アメリカン・ウイスキー・メーカーが熟成させた後に、グレンモーレンジ蒸留所のニューポットを熟成させております。

樽材として利用されるアメリカン・オークも北側の斜面で育ったもののみ伐採(北側の斜面では日当たりが悪いので、成長が遅く年輪の詰まったホワイトオークが手に入れられるため)、最低2年間は自然乾燥させたものしか使用しないというこだわりっぷりです。

さらに樽の使用回数は2回までと厳しく制限されています。これは樽から抽出される要素を最大限に活かすためです。

このように厳選された樽はデザイナー・カスクやアーティザン・カスクと呼ばれています。

グレンモーレンジの樽に対するこだわりはウッド・フィニッシュを初めて行った蒸留所ということからも窺うことができます。

通常の銘柄と同じように熟成されていた原酒をポート、マデイラ、シェリーなどの古樽に移すことにより、その樽でかつて熟成されていたものの影響をウイスキー原酒に与える。これがウッド・フィニッシュと呼ばれる熟成の方法です。

 

2004年にはSMWS(ザ・スコッチ・モルト・ウイスキー・ソサエティ)を買収。同年に今度はアードベッグ蒸留所とともにLVMHに買収されるなどなかなか目が離せません。

その後、2012年にはIWSCディスティラー・オブ・ザ・イヤーを受賞。最高蒸留製造責任者として有名なビル・ラムズデン博士なども含めて、話題に事欠かない蒸留所と言えることでしょう。

 

グレンモーレンジ蒸留所

ポットスチル初留6基/再留6基
間接蒸留
麦芽フェノール値2ppm
ウォッシュバックステンレス16基
仕込み水ターロギーの泉(硬水)
ウェアハウスダンネージ式
グレンモーレンジ オリジナル

グレンモーレンジの中でも最も定番の銘柄になります。もともと10年としてリリースされていたボトルですが2007年のリニューアルに伴い、「熟成年数」表記から「オリジナル」表記として変更されました。

熟成にはデザイナー・カスクのバーボン樽などが使用されています。

 

グレンモーレンジ ラサンタ12年

バーボン樽にて10年間熟成させた原酒を、残りの2年間オロロソ・シェリー樽にて後熟させたウッド・フィニッシュのボトルになります。

アルコール度数46度でノンチルフィルタード。

ラサンタとはゲール語で「情熱」や「暖かさ」を意味しています。

 

グレンモーレンジ キンタ・ルバン12年

こちらもウッド・フィニッシュのシリーズ。

ポルトガルのフォーティファイドワイン・ポートワインの中でも厳選したルビーポートで2年間後熟が行われています。

こちらもアルコール度数46度のアンチルフィルタード。

ポルトガル語で「キンタ」は「ワイナリー」

「ルバン」はゲール語で「ルビー」を表しています。

 

グレンモーレンジ ネクター・ドール12年

ワイン好きに有名なフランスはソーテルヌのデザートワイン「シャトーディケム」の樽を中心として一部にはフランスの赤ワイン樽も使用されています。

こちらも後熟は2年間。46度のアンチルフィルタードです。

ネクタドールとは「黄金の果汁」

「ネクター」はギリシャ神話にも出てくる神々の呑む不老長寿の酒を表し、「ドール」はフランス語、ゲール語ともに「黄金」を意味しています。

 

グレンモーレンジ 18年

グレンモーレンジ・オリジナルの上級品に当たります。

最上級のバーボン樽にて熟成された原酒と、15年間バーボン樽で熟成させた後にオロロソ・シェリー樽で3年ほど後熟させた原酒をヴァッティング。

アルコール度数は43度になります。

 

グレンモーレンジ シグネット

ノンチルフィルタードでアルコール度数は46度になります。

シグネットのもっともユニークなところは原材料である麦芽の一部にチョコレートモルトを使用している点です。

これは高温でじっくりとローストされた麦芽のことでビール業界などでは使用されています。しかし、このチョコレートモルトをウイスキーに応用したのはシグネットが初めてで、その着想はビル・ラムズデン博士の大学院生の頃まで遡るといいます。

他にもグレンモーレンジ蒸留所が所有する単一畑からのモルトやグレンモーレンジの中でも最も古く最も希少な原酒も含まれているそうです。

熟成に使用される樽はデザイナー・カスクにシェリー樽。シェリー・フィニッシュを行われた原酒もブレンドされています。

そしてビル・ラムズデン博士とマスターブレンダーのレイチェル・バリー氏の二人による革新的で型破りなアイデアである「秘密の何か」が組み合わされているシングルモルトです。

 

グレンモーレンジ 25年

グレンモーレンジ蒸留所のオフィシャルの中では最上級になります。

四半世紀以上じっくりとオーク樽にて熟成された原酒を使用。

アルコール度数は43度です。

こちらは純粋に職人による技術の結晶となっています。

 

 

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