titawjk001山崎を始めとした白州、響……日本国内外を問わず人気好調なジャパニーズウイスキー。

なかでも近年、急激に知名度のあがってきたウイスキーといえばサントリーの知多ではないでしょうか。

 

愛知県は知多半島にその蒸留所はあります。

大人の社会見学として、ウイスキー工場見学は人気が高いですが、残念ながらこちらの蒸留所は現在一般公開されておりません。

なので今回は知多蒸留所の情報が気になる方に向けた、蒸留所紹介をしていこうと思います。

 

 

サングレイン知多蒸留所

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サングレイン株式会社。

1972年に設立されたこちらの会社は、主に「響」や「角瓶」などに使用されるグレーンウイスキーを中心に生産されています。

あれ?サントリーじゃないの?

と、思われる方も多いと思いますが、こちらもれっきとしたサントリーグループの一員です。

グレーンウイスキーはブレンデッドウイスキーを語るうえで欠かせない重要なファクターですので、サントリーの知多グレーンやニッカのカフェグレーンなど、製品化していただけるというのは非常にありがたいことです。

 

工業地帯にあるウイスキー蒸留所

サントリーのK氏のご厚意によりバスにて蒸留所へとむかいました。

やってきたのは伊勢湾に臨む工業地帯。

名古屋港から続く工場地帯ですが、なかでも知多は江戸時代から木綿生産地として有名だったそうです。

意外にもこのあたりでは、昔ながらの造り酒屋も何軒か営業されているとか。

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工場地帯を突き進みバスを降りると、さっそく出迎えてくれのは鳥居でした。まさに日本の工場といった感じです。

他にも創立40周年を記念して植えられたミズナラの木やオリーブの木が

なぜオリーブの木?と思ったら、創業から同じ歳を重ねたオリーブの木をわざわざ小豆島から移植されたとか。シルバーグレイでメタリックな樹形と永続性と繁栄を象徴するオリーブの木はサングレインのシンボルだそうです。

 

建物の中に入ると、真っ先に目に飛び込んでくるのは蒸留設備の模型。

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精巧につくられており、全体像が俯瞰できます。

細かく装置の名前も記載してあり、これだけでも大変勉強になります。大々的に公開しないのがもったいないくらいです。

 

着席するとスライドにて知多蒸留所や製品の解説。

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全体でナゴヤドームと同じくらいの面積だそうですが、半分くらいはバイオマスなどの設備だそうです。

そしてグレーンウイスキー以外にも「ほろよい」などのチューハイの原料となるスピリッツも生産されているとのこと。

知多蒸留所では「ヘビー」・「ミディアム」・「クリーン」の三種類の原酒をベースに、樽などでいろいろと造りわけており、「サントリーウイスキー知多」の場合はアメリカンオークの古樽で熟成させたクリーン原酒がメインだとか。

原酒の造り分けを重要視しているのは、言わばグレーンウイスキーというのは料理でいうところの出汁にあたるそうで、こちらの蒸留所では連続式蒸留機の技術開発と樽の研究に力を入れているそうです。

 

それでは工場らしくヘルメットをかぶって見学に出発です!

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迫力の連続式蒸留機

建物を出ると巨大な設備を間をくぐり抜け、蒸留塔へとむかいます。

頭にかぶったヘルメットが他とは一味違う工場見学だと、気分を盛り上げてくれます。

辺りにはコーンスープのような香りが漂い、しばらく歩き続けると……

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で、でかい……カメラに納まりきりません……

ページトップの写真奥に写っているのがそうなのですが、それでもなかなか納まってはくれません。

この太い柱が連続式蒸留機でして、左から「もろみ塔」・「抽出塔」・「精留塔」・「精製塔」です。隣にはスピリッツ用の蒸留塔も。

精留塔内部は銅で造られており、これはもちろん不快な成分を取り除いたりするためです。だから精留塔が中心となって原酒が生産されます。

ヘビータイプは2塔式で「もろみ塔」・「精留塔」

ミディアムタイプは3塔式で「もろみ塔」・「抽出塔」・「精留塔」といった具合に使いわけられます。

そうそう、蒸留所入口には実際に25年間活躍した精留塔の銅製キャップトレイが展示されておりました。

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長年の使用によりアルコールで減耗した様子が確認できます。

横をむいており、一部分だけカットしたものですが、それでも大きさがわかると思います。

棚段数は精留塔全体で90段にもおよぶのだとか。

連続式蒸留機の圧倒的に巨大な存在感に敬服いたします。

 

蒸留塔を見学した後は屋上へとむかいました。

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奥には原材料を入れるためのサイロ。手前の建物ではグレーンウイスキーに使われるコーンやモルトを粉砕・液化されます。

続いて酵母槽や発酵層。

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奥に写るシルバーのタンクがそうです。

間には減圧に使用されるフラッシュタンクも設置されておりました。

 

こうして眺めてみるとコンパクトな配置で、グレーンウイスキーの製造工程が一望できてしまいます。

ただし規模は圧倒的ですが。

こちらで製造された原酒は保管されずに直接、近江エージングセラーに運送されるそうです。

伊勢湾から降ろされた原材料を知多半島で加工、精製された原酒を滋賀の熟成庫へと運ぶ。

山崎蒸留所と近江エージングセラーの位置を認識すれば、知多蒸留所でグレーンウイスキーを製造するというのも納得できるような気がします。

 

ひと通り見学し終えたところで、はじめの建物へと戻りました。

風香るウイスキー知多

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ヘルメットを脱いで部屋へあがると、すでに試飲の準備が。

愉しみです。

さっそくグラスへ手をのばそうというところで、まずは製品の紹介が始まりました。

しばしのお預けです。

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サントリーウイスキー知多のパッケージは風を感じさせるようにデザインされております。

ボトルのキャップシールは日本伝統の濃紺色を幾重にも重ねることにより風を表現。

またラベルの方は和紙を採用し、「響」のデザインでもおなじみの書道家「萩野丹雪」氏によって軽やかさと伸びのある表現がなされております。

 

そして、ここで四代目チーフブレンダー「福與伸二」氏の解説が入ります。

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とは言っても映像ででしたが……

サントリーウイスキー知多を構成する原酒はクリーン・ミディアム・ヘビーの三種類!かと思いきや厳密には10種類あるそうです。

ワイン樽やスパニッシュオーク樽などが重要になってきます。

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テイスティングを交えながら解説は続きます。

個人的にはワイン樽原酒がお気に入りでした。

山崎にも使用されるワイン樽でつくられており、特別な手間と時間がかかるそうです。

今のところ単体では「ワイン樽原酒・知多」として製品化される予定はないそうなので残念。

 

そこから豆腐や出汁巻き卵など、和食との相性についての説明がありました。

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こちらは風香るハイボール「知多」を味わいながら、まったりと聴講。

みんなで店舗での提供方法などを話し合いながら愉しみました。

最後にみんなで記念撮影をして終了です。

 

知多蒸留所は現在、残念ながら一般公開されていませんが、この紹介が何かのお役に立てばと思います。

バーテンダーなどの職業の方には公開されておりますので、機会があれば一度訪ねてみると新しい発見があるかも。

ウイスキーを学ぶ | 流しのバーテンダー

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