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さて、今回はキリンディスティラリーの富士御殿場蒸留所です。

 

こちらの蒸留所は世界的に見てもおもしろい要素がたくさん詰まってます。

なんと言っても日本の「キリンビール」は当然ですが、それ以外にもウイスキー造りで重要な地位を占める大企業が設立に関係してます。

まずはアメリカの「シーグラム社」

アメリカのブレンデッドウイスキーであるセブンクラウンやカナディアンウイスキーのクラウンロイヤルが有名な企業ですね。

そしてイギリスの「シーバスブラザーズ社」

スコッチウイスキーのシーバスリーガルやロイヤルサルート。ウイスキー好きなら一度は呑んだことのある銘柄だと思います。

この三社が1972年に合弁会社として「キリンシーグラム」を設立しました。現在は「キリンディスティラリー」として100%キリンビールの出資会社となっていますが、日本はもちろん世界的にも珍しい日・米・英の三ヵ国、さらにはカナディアンウイスキーやバーボン、スコッチウイスキーの技術の粋を集めて開発されたウイスキーを生産しています。

富士御殿場蒸留所といえばロバートブラウンや富士山麓が有名ですが、その他にもブランデーやリキュールなども製品化されており、モルトとグレーン、その仕込みからボトリングまで一貫して行われている複合的な蒸留所なのです。

どうですか?これだけでも興味深いウイスキー蒸留所と言えるのではないでしょうか。

それでは、さっそく見学を開始してみたいと思います。

 

 

富士山の裾野にある蒸留所

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富士山の裾野をドライブしていると大きな看板が見えてきます。ここがキリンディスティラリー富士御殿場蒸留所です。

写真は駐車場から撮影しました。

真ん中右手に写る大きなエンブレムのついた建物が原材料を貯蔵しておくサイロです。その隣が蒸留棟。そこから繋がっている連絡通路の先には受付があります。

到着したのは8時50分ごろ。9時からのツアーを予約していたので、間に合うのかどうかひやひやしましたがなんとか到着いたしました。

 

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受付は結構広々としており、奥に待合室もあります。どことなく病院のような印象をうけたのは私だけでしょうか?

見学は無料です。休日のせいか、お昼前にはすごい人でしたので予約はしておいたほうがよろしいと思います。

 

定刻になるとガイドさんが待合室の隣にあるシアタールームに案内してくれます。

最初は富士御殿場蒸留所についての説明です。シアタールームは撮影禁止でしたが、プロジェクションマッピングを使用した蒸留所案内は力が入っていました。ちょとした仕掛けもありましたしね。詳しくは蒸留所にて。

 

キリンディスティラリーの基本情報を確認して気分が盛り上がってきたところで、二階へと上がっていきます。

試飲コーナーを通り過ぎ、ブレンダー室や分析室が目の前に!中を覗いてみたい衝動に駆られますがここは我慢です。

ちょうど連絡通路の辺りにあるのが見学コース入口になります。

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なんだかアトラクションのような見学通路ですね。

通路脇に何かしら設置してあるのが窺えます。

さてさて、これは何かと思って進んでいくと……何やら芳しい香りが。

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これは花の匂いです。

そうです。この見学通路ではキリンウイスキーに含まれている香りのフレーバーを体感できるんですね。

小さな樽を手にとってみると中から花の香りが漂ってきます。左右に設置されている風穴からもフラワーのフレーバーが感じとれました。

このようなフレーバー体験ゾーンが全部で四つあります。

順番に「フルーツ」「フラワー」「スイートネス」「バレル・マテリアル&グレーン」です。

視覚ではわかりずらい情報なので、普段ウイスキーを呑まれる際に意識されていない方は興味津々なご様子。ウイスキーのフレーバーってこんな香りがするの?っと言う感じでこれからの見学に期待が込められます。

 

ガイドさんのフレーバーについての解説を聴きながら蒸留棟へと進んでいきます。

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出迎えてくれたのは巨大なポットスチル!しかもガラスで覆われていないので迫力があります。

かつて使用されていた本物のポットスチルです。直に触ることもでき、ポットスチル内部も覗くことができました。

ちょうどいい記念撮影スポットですね。近すぎて全体が写らなかったのが残念でしたけど。

 

このポットスチルを囲うようにして、クッカーや現在使用中のポットスチルなどの蒸留設備が配置されています。よく考えたらところどころバーボンの蒸留用語がでてきます。この辺りもシーグラムの影響が窺えますね。

こちらはガラス越しに見学です。

よく見てみるとグレーン用の仕込み釜も一緒に並んでいました。ちょっとテンションが上がります。

モルトとグレーンウイスキーの蒸留設備が一緒の部屋で管理されているんですね。なかなかおもしろい光景でした。

ところで肝心のグレーン用の蒸留機の姿が見当たりません。ガイドさんに確認してみると、なんと壁の向こう側に配置されているとのこと!残念です。一番楽しみにしていたのですが……。

その代わりにと言ってしまっては何ですが、映像にて拝見することができました。しかも壁に写ってます。これまた珍しい試みです。

 

こちらの富士御殿場蒸留所では、一般的な連続式蒸留器である五塔式のマルチカラム以外にも、バッチ式のケトルに、バーボンに使用されるダブラーの三種類が稼働しております。

酒質は順番にライト、ミディアム、ヘビーなグレーン原酒が製造されるそうです。製造比率はミディアムのケトルが一番多いようです。

初留に使われているのはすべてビアカラムとなります。ここで65~80度に高められたアルコールがそれぞれ三つのグレーン用の蒸留機に移っていくんですね。

この三種類のグレーン原酒を合わせることによってキリンディスティラリー独自のリッチグレーンが誕生します。ぜひとも単体ごとに呑み比べしてみたいですね。

このグレーンウイスキー用の蒸留機を使い製造されたモルトウイスキーも製品化されております。富士御殿場蒸留所のお土産コーナーは当然ですが、オンラインショップなどでも購入可能です。もちろんグレーンウイスキーも販売されていますよ。

 

そして発酵タンクへと進み、貯蔵タンクへ向かいます。

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これ、全部ブレンドされて樽詰め待ちだそうです。この写真の三倍くらいはありました。

さすがに大きいですねぇ。

サイズの異なるタンクがあるのはウイスキーの種類やグレーンなどいろいろな商品が製品化されているからです。

発酵タンクもモルト、グレーン両方備えつけられていました。

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こちらは樽詰めされる部屋になります。

この辺りの設備はあまり一般公開されていないかも。

休日なので作業は行われていませんが、ずらりと並んだ樽に入っていくウイスキーたちを見学してみたいですね。

 

そして樽が出てきたところで熟成による変化の解説があります。

年数による熟成の変化はウイスキー造りにおいて重要な項目です。

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実際のウエアハウスには入れませんので、模型での見学となります。

このように積み上げられた原酒が10階建て相当の熟成庫で、約4万バレル熟成されているみたいです。しかも、それが4棟あるという話でした。

やっぱりバーボンを思いださせますね。

ラック式なので上下の差が熟成が与える影響は大きそうです。

 

続いてパッケージングライン。

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よく見るとフォアローゼスのラベルの姿が!!

このあたりは人の手が外せない工程ですね。日本向けにこちらで瓶詰されているのでしょうか。

 

最後に辿りついたのがボトリングライン。

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一番奥にあるのがウイスキーのラインだそうです。三種類あるのは梅酒やリキュールも瓶詰されているからです。

ウイスキー以外にも様々な商品を製造しているので大変そうです。

 

富士の樹海をイメージした通路を通り、試飲コーナーへと戻ります。

そして念願の試飲タイム。

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こちらでは富士山麓 樽熟原酒50°とロバートブラウンがいただけました。

ガイドさんによるキリンのハイボールの作り方講習が始まります。グラスに氷を入れて、ウイスキーを注いだら30回混ぜるのがポイント。さらに溶けた分、氷を一つ追加してソーダを注ぎます。

無料試飲は2杯まででしたが、こちらもいただいてしまいました。感謝です。

 

ドライバーの方にはノンアルコールチューハイやリンゴジュースなどのソフトドリンクがあります。

それ以外にも有料試飲もありました。

今回は連続式蒸留機を使用した原酒の含まれているピュアモルト、シングルモルトグレーン25年にシングルモルト17年。ザ・シングルトン・グレンオード18年やフォアローゼス・シングルバレルも注文することができます。

富士御殿場蒸留所の限定セットもあり、こちらは実際にこちらのブレンダーの方々が使用するのと同じテイスティンググラス!!

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そして、このウイスキーの入ったこのグラスです。

おもしろいのが、ウイスキーを入れるとグラスの底に富士山が浮き出してきます。併設されたお土産コーナーにも販売されていたので要チェックです。

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お土産コーマーには蒸留所限定ウイスキーの他、富士山麓タオルやエンブレムの入ったポロシャツなどもありました。

お菓子などもありお土産にはちょうどようよい感じです。

 

試飲も終えて帰ろうとしたところ、エレベーターで屋上に上がることができると教えてもらいました。

せっかくなので昇ってみましょう。

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蒸留所にたどり着いたときには晴天で富士山が見れたのですが、残念。ちょうど富士山に雲がかかっていました。天気のよい日だと富士山をクリアに観ることができる絶景だったでしょうね。

対面には箱根駒ヶ岳も観えます。あの山を越えたら関東かぁとか思いながら、しばらくぼけーと眺めていました。

屋上から観る見晴らしは最高です。360℃、富士山を始めとした自然と蒸留所の施設が一望できます。見学に訪れた際はぜひとも昇ってみてください。気持ちいいですよ。

 

ちょうど試飲コーナーなどリニューアルされた直後でしたので、今まで行かれた方も違った見学ができると思いました。

山崎や余市などメジャーなジャパニーズウイスキーの蒸留所をめぐられた方も満足できると思います。

サファリパークなども近くにあってお子さん連れの方もちらほらと。

関東からも東海からも近い蒸留所ですし、ウイスキーファンの方たちにはうってつけの工場見学がと思います。

ウイスキーを学ぶ | 流しのバーテンダー

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