ラム酒と言えばカリブ海で飲まれている飲み物。サトウキビから造られる蒸留酒。はたまた三角貿易に登場するお酒。など、名前は聞いたことがあるといってもなんとなく知っているというだけで実際にどのようなお酒であるのかわからない、という方が多数を占めるのではないでしょうか。

そして初めてラム酒を飲んでみたいといったときに悩むのがその銘柄の多さです。ラム酒は蒸留酒の中でも生産国が多く、ホワイトやゴールド。ライトラムやヘビーラム。同一銘柄でもバリエーションが多く、はたまた聞いたことのない国名が出てきたり、お菓子作りに使われるお酒なんじゃないの?といった意見も出てきたりします。

このような疑問はごもっともな話ですが、まずは飲んでみなければラム酒というものがどういったものなのかがわからないと思います。

そこで今回は詳しい説明は抜きにしておき、単純にラム酒に興味を持たれた方、これから飲んでみたいけど何を買ったらいいかわからないという方へ、ここだけ抑えておけばラム酒を楽しめるというポイントと実際に飲んでみて欲しい銘柄について紹介していきたいと思います。

 

 

簡単なラム酒の分類と種類

簡単にラム酒を説明するとサトウキビから造られる蒸留酒の一種になります。

アルコールは糖分を分解して生成されますので、砂糖を精製するために使用されるサトウキビは、お酒を造るのに適した素材であると言えます。このサトウキビから得られたジュースをワインやビールのように発酵させてアルコールに変換します。そして今度は焼酎のように蒸留することによって高濃度のアルコールが誕生するのです。この時蒸留されたアルコールはそのまま瓶詰されることによってホワイトラムとして販売されたり、ウイスキーのように樽で寝かせることによって熟成されたゴールドラムやダークラムといった時間の経過による色の変化で分類がなされたりもします。

 

☑原材料はサトウキビ

☑焼酎やウイスキーと同じ蒸留酒の一つ

☑樽熟成されていない無色透明のものはホワイトラム

☑樽熟成されたことによって色のついたものがゴールドラム

☑さらに熟成させることによって色の濃くなったものがダークラム

 

実際にはサトウキビの処理方法(サトウキビを絞ったジュースや砂糖を精製した際に発生する糖蜜)によって味わいが異なったり、樽による熟成が二ヶ月以上三年未満ものはゴールドラム。三年以上熟成させたものはダークラムなどといった細かい規定があったりもしますが、まずは簡単なところから覚えていきましょう。

 

次にラム酒の分類としてよく言われるのが、ライトラムやミディアムラム、ヘビーラムといった味わいの違いにおける分類の仕方です。

カクテルのベースとしてよく使われるような口当たりの軽いもののことをライトラムといい、基本的には色が濃くなれば味わいも強くなるのですが、ラム酒の場合、ゴールドラムやダークラムであっても風味の軽い飲み易い銘柄も存在しています。代表的な銘柄としてはバカルディなどがこのライトラムに分類されます。

対してヘビーラムとは、その色あいも濃く、ライトラムと比べると風味も豊かで飲みごたえのあるラム酒について言われます。こちらの代表的な銘柄としてはマイヤーズラムなどが挙げられると思います。

最後にミディアムラムとは、ちょうどライトラムとヘビーラムの中間の味わい。熟成もちょうど中間であるゴールドラムにその銘柄が多くあります。

この味わいにおける分類については慣習的なものなので当然、飲んだときの感じ方によって個人差があり、はっきりとした区分も存在しないので自分の好みの銘柄を選ぶときの指標の一つとして覚えておくとよいかと思います。

 

☑風味が軽く飲み易いライトラム

☑味わいや色も濃く飲みごたえがあるのがヘビーラム

☑ライトラムとヘビーラムの中間の風味を持つミディアムラム

 

ここまでで簡単なラム酒の解説は終了ですが、最後に一つ。それは国による味わいの違いです。

ラム酒は世界で造られている蒸留酒の中でももっとも種類が多く、その生産国も様々です。原材料であるサトウキビさえ栽培できればどこででも作ることができるお酒なので、たくさんの国々で幾多のラム酒が製造されているということが実感としてわかると思います。

三角貿易に代表されるようにカリブ海のある西インド諸島から、アフリカ。インドやラオスなどのアジア圏。日本産サトウキビの代表的産地である沖縄など。

このように世界中の様々な国がラム酒を生産しています。

しかし、このように世界の国々で生産されているとなると覚えるのは一苦労。国名だけでも相当な数になります。ましてや、その国がどのような製法でどのような味わいのラム酒を生産しているかなど到底覚えきれそうにありません。

途方もない作業に思えますが、これらを解決するにはシンプルに、一つのことだけ覚えておけば大丈夫です。それはその国がどこの植民地であったか、ということです。

以下、手に入りやすい代表的な国名と宗主国を挙げておきます。

 

スペイン系:キューバ、ドミニカ、グアテマラ、プエルトリコ

フランス系:マルティニーク、グアドループ、ハイチ

イギリス系:ジャマイカ、ガイアナ

 

このようにどの国の植民地であったか、ということが何を意味するかというと、それはここに製法の違いが大きく反映されているからです。

イギリス系のラムの場合、スコッチウイスキーの技術が多く流用されています。フランス系の場合はコニャックの製法が。そしてスペイン系の場合はシェリー酒の技術が踏襲されているという特徴があります。これら三つの国に由来する製法上の違いについてとホワイトラム、ゴールドラムといった熟成における違いを理解することによって、はたして自分の好みのラム酒がどういった傾向にあるのか、ということや、初めて飲んだ銘柄が美味しかったけど今回飲んでみたボトルは何か違う、といった悩みが徐々に解決されていくと思います。

 

簡単でしたが、長々とした説明になってしまい申し訳ありません。しかし、以上を踏まえてラム酒を味わっていただければ基本的なラム酒というお酒についての概念や理解を得られることができ、これからのラム酒という新しい世界が開けてくるかと思います。

ここからはいよいよ飲んでみて欲しいおすすめの銘柄の紹介です。

 

 

初心者にもおすすめ人気のラム酒

バカルディ スペリオール

数あるラム酒の中でももっとも知名度のある銘柄と言えばバカルディです。バーへ行けばカクテルとしても使用されていますし、スーパーなどの量販店でも気軽に手に入れることのできる万能銘柄。

できればホワイトラム、ゴールドラム、ダークラムと三種類そろえて飲み比べをしてみると熟成の違いによる変化が理解しやすいと思います。

☑原産国:プエルトリコ

☑スペイン系

 

ロン・サカパ 23

初めてラム酒を飲んでみたいといった方に必ずおすすめするのがこのロン・サカパ。

甘口な味わいですが、コーヒーのような香りに黒糖のようなコクが加わりラム酒というものに開眼させてくれること間違いなしの銘柄です。できればロックかストレートで愉しんでいただきたい芳醇なラム酒。

☑原産国:グアテマラ

☑スペイン系

 

ポルフィディオ ラム プラタ

ボトルの中に入ったヤシの木がかわいいポルフィディオ。

同社はサボテンのオブジェが入ったテキーラも人気ですが、ラム酒もなかなか負けてはいません。サトウキビの一番搾りだけを使用する製法など随所にこだわりが感じられる味わいです。

☑原産国:メキシコ

☑スペイン系

 

マイヤーズ ラム オリジナルダーク

ヘビーラムと言えば真っ先に思い浮かぶような代表的な銘柄のマイヤーズラム。お菓子作りにも使われやすい銘柄ですが、その作り方は本格的。スコッチウイスキーのように単式と連続式蒸留機を使いオーク樽で熟成されています。

☑原産国:ジャマイカ

☑イギリス系

 

イングリッシュ・ハーバー 5年

アンティグア・バーブーダ産と聞いてもあまりピンとこない方が多いと思いますが、カリブ海の一角を担うイギリス領の一つで造られるラム酒。もちろん名前のとおりイギリス系の製法を踏襲しています。マイヤーズラムと同じくイギリス系としては飲み易い仕上がりとなっています。

☑原産国:アンティグア・バーブーダ

☑イギリス系

 

ペール・ラバ ブラン 59%

ペール・ラバという名はコニャックの製法をラム酒に取り入れた神父の名前が由来となっています。

搾りたてのサトウキビ使い、蒸留した雨水で加水するなど、伝統が守られたながら品質を保つフランス系ラム酒を代表する銘柄。

☑原産国:フランス領マリー・ガラント島

☑フランス系

 

J.バリー 7年 ピラミッド

ピラミッド型のボトルがユニークな西インド諸島にあるフランスの海外県マルティニーク島のラム酒。

フランス系ラム酒の特徴であるピュアなサトウキビジュースを使う製法はこちらの蒸留所が始めて行ったともいわれています。

☑原産国:フランス海外県マルティニーク島

☑フランス系

 

 

まとめ

まだまだ紹介したいボトルが多くて困ってしまうのがラム酒の世界です。

今回は私が考えるラム酒入門編のような形でしたので、国産のラム酒や細かい製法上の問題などはなるべく避けて進みましたが、長々と説明してしまったので少し混乱させてしまったかもしれません。

これを機にラム初心者の方が新しい世界に踏み込んで愉しんでくれることを願っています。日本ではあまり馴染みの少ないラム酒ですが、世界中で愛されているお酒ですので知れば知るほど興味深い経験ができるかもしれませんよ。

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