フランス系、スペイン系、イギリス系とラム酒の分け方にもいろいろありますが、その中でもフランス系のラムの場合、お酒としての個性も強く好みがわかれやすいという特色があります。

フランス系のラムは量販店で販売されていることも少なく、もしバーに行ってみたとしてもラム酒を専門に扱っているバーでなければ置いていないこともしばしば。

そんな、日本ではあまり一般的に目にする機会が少ないラムではありますが、他のラムに負けず劣らず魅力的な味わいを持ち合わせています。これを機にあらたな世界に挑戦してみるというのも楽しいことだと思います。

 

 

フランス系ラム酒の特徴

フランス系のラム酒でもっともユニークなのが、ワインと同じようにAOCが認証されているものもあるというところです。普段ワインに親しまれている方にとっては当たり前の話ですが、これは原産地統制呼称(Appellation d’Origine Contrôlée)と言い、商品の品質を守るため伝統的製法や特定の地域などをフランスの法律により厳しく精査されています。ワイン以外にもチーズやバターなどの食品も認定されています。フランス系ラム酒として有名な地域であるマルティニークやグアドループといったカリブ海やインド洋にある島はフランスの海外県として所有されているからです。

さて、肝心の製法上の違いですが、フランス系のラム酒に多くみられるのが製糖の際に発生する糖蜜を原料とするのではなく、サトウキビを絞ったジュースを直接利用しているというところです。

サトウキビから造られるラム酒を他の国のラムのように扱うわけではなく、ブランデー造りと同じように捉えているからです。この製法はアグリコール製法と呼ばれ、一般的なラムに多い糖蜜から造られるものはトラディショナル製法と言われています。

これに加えフランス系に多いのがVSOPやXOなどといった、ある程度熟成年数の異なる原酒をブレンドすることによって品質を安定させているといったところもポイントです。

 

スペイン系ラムのページでも解説しましたが、フランス系のラム酒の表記は「RHUM」、スペイン系は「RON」、イギリス系は「RUM」と言った具合に、その国の宗主国がどこであったかといったことが言語でわかりやすく明記されています。

一概に、以上で挙げたことで何系のラム酒であるかを判別はできませんが、簡単な指標にはなることかと思います。

 

 

おすすめのフランス系ラム酒

ペールラバ 8年

フランスの海外県であるグアドループで造られる代表的アグリコールラム。

商品名にもなっているペールラバとは実在した神父の名前で、ラム酒造りに初めてコニャックの製法を持ち込んだことでも有名です。イースト菌を加えない昔ながらの自然発酵や割り水として蒸留した雨水を使用するなど、そのユニークな製法も話題に上ります。

中でもこの8年は蒸留所の規模が小さいということもあり、安定した供給がされず、不定期生産ということも特徴です。

☑アルコール度数:42%

☑原産国:フランス(グアドループ)

 

JMラム ヴュー 1999

こちらもフランスの海外県マルティニークで生産されるラム酒JM(ジーエム)。マルティニーク島はアグリコールラムの品質が高いことでも有名です。

前回発酵を行ったアルコールに新しいサトウキビのジュースを加えることによって自然発酵させています。他にも熟成用の樽はすべてリチャーされていることなど、一風変わった造り方でも知られています。

このJMヴューは10年以上の熟成を経た年数表記ありのヴィンテージ品で、瓶詰め前の加水調整も行われないのでヴィンテージ毎にアルコールが異なるといった特徴もあります。

☑アルコール度数:47.9%

☑原産国:フランス(マルティニーク)

 

ネイソン・ブラン レスプリ

70%の高アルコール度数を誇るマルティニーク産の家族経営のネイソン蒸留所が生み出すラム酒。

このレスプリは2001年に70周年となった同蒸留所を記念して発売されました。ステンレスタンクで半年寝かせられ、原材料のサトウキビは蒸留所近郊で収穫されたものだけが使用されています。

☑アルコール度数:70%

☑原産国:フランス(マルティニーク)

 

サン・テティエンヌXO

サン・テティエンヌは製糖工場時代を含め、16世紀まで遡ることのできる歴史ある蒸留所でしたが、現在こちらでの蒸留は行われてはいません。蒸留機の移設されたシモン蒸留所から送られてきた原酒は、コニャック樽やアルマニャック樽、ジャックダニエルの古樽やアメリカンオークの新樽などあらゆる樽による熟成とブレンドを駆使することによってパリコンクールでの受賞など、その名声を獲得しています。

その中でもサン・テティエンヌXOは10年以上熟成させた原酒と同セラーでもっとも古いと言われる1960年のヴィンテージを組みあわせて生産される最上級品となっています。

☑アルコール度数:43%

☑原産国:フランス(マルティニーク)

 

バルバンクール15年

現在ハイチで唯一のラム蒸留所で造られているバルバンクール。

コニャックの手法を用いてラム酒が生産されており、今でもフランスのリムーザンオークの樽で熟成されています。

☑アルコール度数:43%

☑原産国:ハイチ

 

ビエール ブラン

雨ざらしで蓋のない発酵タンクや蒸留した雨水によって段階的に加水していく製法、使用されるサトウキビは早朝収穫され水牛によって運ばれているなどと、変わり者の多いフランスのラムの中でもいっそう風変りなのがビエール蒸留所です。

しかしその味わいは、サトウキビの個性を生かしているとも言われており、フランス系のホワイトラムの中でもこのビエール・ブランは飲む人を選びながらも高い人気を誇っています。

☑アルコール度数:59%

☑原産国:フランス(グアドループ)

 

ラマニー1749 アンブレ

機動戦士ガンダムでシャア・アズナブルが飲んでいたということもあり、ある意味日本で有名なラム酒ラ・マニーです。実際に飲んでいたとされるのはこちらの旧版であるエルベ・スー・ボアになります。

アンブレという名の通り琥珀色のゴールドラム。1749年とはフランス本国からマルティニークに渡った創始者であるラ・マニー伯爵が、砂糖とトラディショナルラムを製造し始めた年だと言われています。現在ではもちろん、トラディショナルラムではなくアグリコールラムが生産されています。

☑アルコール度数:40%

☑原産国:フランス(マルティニーク)

 

 

まとめ

フランス系のラムはサトウキビ本来の特色を残しているものが多く、風味も独特なので、世界のラム酒の中でも好き嫌いがはっきりとわかれやすいラムです。なので初めての方にはあまりオススメはできませんが、もしかすると意外に楽しんで飲むことができるかもしれません。

カクテルのベースとしても、それぞれ異なった味わいが生まれたりしますので、その辺りから入ってみるというのもおもしろいと思います。

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