心も体も温めるホットカクテル。冬の寒い夜に飲みたくなるドリンクの代表です。

簡単にお湯で割るものや温めたジュースやホットコーヒーを使用するもの。熱燗やホットワインのように液体を直接温めるものなど様々な調理法があります。

今回は世界で定番のホットカクテルから珍しいものや新しいレシピを作り方を交えながら紹介していきたいと思います。

またホットカクテル専用のグラスなどは別の記事で掲載していますので興味のある方はそちらも合わせてどうぞ。

実用性から可愛らしいものまで選べるホットカクテル用グラス | 流しのバーテンダー

 

アイリッシュコーヒー

アイルランドの飛行場にあるパブで考案されたカクテルになります。燃料補給や天候不順などで立ち寄った、身体の冷え切った乗客たちへの心遣いから生まれました。

アイルランドの名物であるアイリッシュウイスキーに温かいコーヒーを注いだカクテルは、身も心を温めてくれ世界をまたにかける乗客たちによってその評判は広められてきました。

現在サンフランシスコにあるブエナ・ビスタ・カフェではこのアイリッシュコーヒーのレシピが継承されており、有名な観光スポットの一つとなっています。

レシピ

・アイリッシュウイスキー……30~45ml

・ホットコーヒー……適量

・角砂糖……1個

・生クリーム……適量

・プレーンシロップ……少々

 

お湯(分量外)などでグラスを温める。

ボールに生クリームとシッロップを入れ、泡立て器で六分立てくらいに仕上げておく。

温まったグラスにウイスキーを入れてグラスの縁までウイスキーで濡らす。

角砂糖を追加してウイスキーに火をつける。

手首をまわすようにほどよくアルコール分を飛ばしていき、コースターなどで蓋をして火を消す。

ホットコーヒーを注ぎ、生クリームをフロートしたら出来上がりです。

市販の生クリームやハンドミキサーを使用すると味わいが格段に落ちるので必ず手で泡立てることがポイントになります。また生クリームとベースの甘さのバランスが重要になりますので、コーヒーに角砂糖を入れずに濃く苦めに仕上げて生クリームの方にバニラやシロップを追加するなど全体的な味わいのバランスを調整するとよりいっそう美味しくなります。

 

エッグノッグ

牛乳と卵を使用したやさしいホットカクテル、エッグノッグ。

卵とホットカクテルであるグロッグが合わさった言葉が語源とも言われており、アメリカの12月の寒い時期によく飲まれている冬のドリンクとして有名です。今回はアルコール入りのレシピになりますが、アメリカではノンアルコールのエッグノッグも販売されており、日本でいうところの卵酒のような扱いもされています。

レシピ

・ダームラム……30ml

・ブランデー……15ml

・卵……1個

・砂糖……1tsp

・牛乳……適量

・ナツメグ……少々

 

卵を白身と黄身にとりわけて、白身の方へ砂糖を加えたら別々に泡立てる。

充分に泡立ったら一つにまとめ、ダークラム、ブランデーを加えて撹拌する。

膜が張らないように温めたミルクを三回ほどにわけながら、ゆっくり注いでステア。

最後にすりおろしたナツメグを振りかける。

濃厚な味わいを求めるのであれば生クリームを少し加え、ホイップクリームやアイスクリームをトッピングされることもあります。

ベースのアルコールをブランデーのみに替えるとブランデー・エッグノッグと呼ばれ、アメリカのクリスマスドリンクとして名高い「トム&ジェリー」はホットミルクの代わりに熱湯が使用されています。

 

ホットモスコミュール

定番のカクテル、モスコミュールのホットバージョンです。

材料はほとんどそのままですが、温めますので炭酸の刺激はかなり弱くなります。ライムの代わりにレモンを使用し、また生姜汁や好みでハチミツも使うのでモスコミュールというよりは生姜湯やホットのハチミツレモンのような体を温めてくれるドリンクといったニュアンスです。

レシピ

・ウォッカ……30ml

・生姜……

・レモンジュース……

・ジンジャーエール……適量

 

耐熱グラスにお湯(分量外)を入れて温めておく。

生姜をすりおろして絞り、生姜汁を作る。

耐熱グラスのお湯を捨て、ウォッカ、生姜汁、レモンジュースを入れる。

小鍋で沸騰しないくらいに温めたジンジャエールを注いだら完成。

ライムジュースではなくレモンジュースを使用するのは、ホットになったことによる苦味を軽減させるためです。それとジンジャエールを温めすぎると炭酸が飛びすぎてなくなってしまうので注意しましょう。

通常のモスコミュールのように、ウォッカに生姜を漬け込んでおいたり、和風をイメージしてレモンの代わりに柚子を使用することでいろいろと個性を出しやすいのが特徴です。

 

ホットモヒート

モヒートと言えばラム酒に潰したミントを入れた常夏のさわやかな飲み物という印象がありますが、近年のモヒートブームにより温かいドリンクとして冬用のホットモヒートというカクテルも広まってきています。

アルコールは入っていますが、ミントティーやハーブティーのような感覚で愉しむことができ、ジンジャーやハチミツとも相性がよいです。女性に向けてハーブなどの効能を考えながら作成するのも楽しいカクテルです。

レシピ

・ホワイトラム……45ml

・ライムジュース……15ml

・ミントの葉……ひと掴み

・砂糖……1tsp

・お湯……適量

 

耐熱グラスに少量のお湯を入れて砂糖を溶かす。

次にミントの葉、ライムジュースを入れ、ペストルで軽めに潰していく。

ある程度ミントの香りが立ったらホワイトラムを加え、お湯を注いでいく。

グラスに蓋をして少しの間蒸らしておく。

最後に蓋を取り、バースプーンなどで軽くミントの葉をかき混ぜたら完成です。

ミントの葉は潰しすぎるとエグミや苦味が出るので軽く潰しましょう。また砂糖をハチミツに変えたり、フレッシュなミントやお湯の代わりにミントティーを代用しても美味しくいただけます。

 

メキシカン・フレーミング・コーヒー

基本的にはアイリッシュコーヒーのバリエーションの一つであるメキシカン・フレーミング・コーヒー。ベースに使用されるのはテキーラで、炎をつけるパフォーマンスが特徴的です。

レストランなどでカレーライスを注文すると出てくるソースボートを利用してスローイングしていくホットカクテルになります。

レシピ

・テキーラ……20ml

・コーヒーリキュール……20ml

・ホットコーヒー……適量

・生クリーム……適量

 

耐熱グラスの縁に砂糖(分量外)をつけて、火で炙りキャラメライズさせる。

テキーラとコーヒーリキュール、そしてコーヒーの一部をソースボートに入れ火をつける。

左右交互に炎が流れるように4、5回ほどスローイングする。

材料の入ったまま右手のソースボートを大きく挙げて、間に左のソースボート、最後に耐熱グラスという感じで流れ落ちるようにグラスに注ぐ。

残りのコーヒーをグラスに入れ、クリームをフロートしたら出来上がりです。

後述するブルーブレイザーよりは作りやすいカクテルですが、炎を扱うため家庭での作成はおすすめしません。その場合はアイリッシュコーヒーと同じような造り方でチャレンジしてみてください。

メキシカン・フレーミング・コーヒーに興味のある方のために以下に海外の動画を張っておきます。

 

ヴァンショー

ヴァンショーは日本ではホットワインという名前で親しまれている飲み物の一つです。

赤ワインや白ワインをベースにして各種スパイスや柑橘類の皮などで香り付けした温かい冬のドリンクになります。ヨーロッパを中心にワイン生産国では当たり前のように飲まれており、冷えた体を温めるには最適です。スパイスやワインの銘柄も自由にアレンジすることができ、好みでオリジナルのヴァンショーを作成してみましょう。

レシピ

・赤ワイン……1cup

・グランマルニエ……少々

・レモンスライス……1枚

・オレンジスライス……1枚

・シナモンスティック……1本

・クローブ……4個

・ハチミツ……適量

 

小鍋を火にかけてグランマルニエを入れ、アルコール分を飛ばす。

赤ワインと一緒にシナモンスティック、クローブ、レモンスライス、オレンジスライスを入れ、沸騰されせないように香りを移していく。

最後にハチミツを入れ混ざったことを確認したら、スパイスなどを取り除きながら耐熱グラスに注ぎます。

ワインは赤でも白でもどちらでもかまいませんが、煮詰めすぎると台無しになってしまうので火元から離れないようにしましょう。また本格的に作成する場合は、スパイスやピールの種類によって香りが抽出される時間が異なります。鍋料理のように味が移りにくいものから順番に投入していき、味わいのバランスをみながら仕上がりを調整していきましょう。

 

ホットイタリアン

温かいオレンジジュースからアマレットの香りが漂う甘めの優しい味わいが特徴です。作り方もシンプルでアマレットとオレンジジュースのみで作成します。

このレシピのコールドカクテルはウォッカベースのスクリュードライバーをアマレットに変更したイタリアン・スクリューと呼ばれています。

レシピ

・アマレット……30ml

・オレンジジュース……適量

・シナモンスティック……1本

 

小鍋でオレンジジュースを沸騰させないように温める。

ホットグラスにアマレットを入れ、温めたオレンジジュースを注ぐ。

好みでシナモンスティックを添えて提供する。

温かいオレンジジュースというのは慣れないかもしれませんが、一度飲んでみると非常にまろやかで飲み易く、アルコールが苦手な方にもおすすめできます。

 

ホットウイスキートゥデイ

ウイスキーのお湯割りに甘味やスパイスによって味付けしたトディというスタイルはウイスキーだけでなく、ラムや他のスピリッツにも応用できます。

ウイスキーを使うホットカクテルなのでどの銘柄を選ぶかによって味わいが大きく異なります。飲み易くクセの少ないブレンデッドウイスキーやボウモアなどのスモーキーなシングルモルトを使用するなどベースによる変化が大きいのが特徴です。

レシピ

・好みのウイスキー……40ml

・お湯……適量

・角砂糖……1個

・レモンスライス……1枚

・クローブ……4個

 

熱湯(分量外)で耐熱グラスを温めておく。

ウイスキー、角砂糖をいれてライターで火をつけ、炙りながら角砂糖を溶かしていく。

コースターなどで火を消し、お湯で満たす。

レモンスライスの上下左右4か所にクローブを挿し、グラスに沈めたら完成。

砂糖をハチミツやマーマレードに代えると味わいが変化しおもしろいですが、ベースとなるウイスキーの銘柄にも左右されるのでそれによって変更していくのがよいかと思います。

 

ホット・バタード・ラム

バターのまろやかな飲み口が喉を優しく包み込み身体を温めてくれるので、昔のイギリスでは風邪のときに飲まれていたといいます。

シンプルなレシピですが味に変化を持たせやすく、アニスやクローブなどのスパイスを加えたり、スモークバターやお湯の代わりにミルクを使用するホット・バタード・ラム・カウなど好みで好きなようにアレンジできます。

レシピ

・ダークラム……15ml

・ゴールドラム……30ml

・お湯……適量

・角砂糖……1個

・無塩バター……10g

・シナモンスティック……1本

 

温めておいた耐熱グラスに角砂糖をいれ、少量のお湯で溶かしておく。

そこに二種類のラムを入れお湯で満たす。

無塩バターをカクテルの上に乗せ、シナモンスティックを添えたら完成です。

有塩バターだと塩分によってカクテルの味が変わってしまうので無塩を使用します。事前にスパイスをバターに練り込んでおくとより早く風味豊かなホット・バタード・ラムが作成できます

そしてラム酒を二つ使用しているのはコクや甘味を増すためです。

 

カフェロワイヤル

美しい炎が燃え上がり、幻想的な演出が目を惹くコーヒーの飲み方の一つです。カフェ・ロワイヤルという名前はナポレオンが愛飲したことからきていると言われています。

基本的にはロワイヤル・スプーンと呼ばれる、コーヒーカップの縁に引っ掛けることが可能が専用のスプーンを使用しますが、耐熱で端を渡すように角砂糖を乗せることができれば問題ありません。

ゆっくりと炎が燃える様はお昼のカフェよりも深夜のバーで頼みたいカクテルの一つです。

レシピ

・コーヒー……1cup

・ブランデー……2tsp

・角砂糖……1個

 

通常の手順に従いコーヒーを煎れてカップに注ぐ。

ロワイヤル・スプーンに角砂糖を乗せ、カップの縁に引っ掛けながらスプーンを上に渡す。

ブランデーがカップに入らないように、角砂糖に染み込ませながら注ぎいれる。

角砂糖にライターで火をつける。

角砂糖が全部、または半分ほど溶けたあたりでカップに落とし、スプーンでかき混ぜる。

青い炎が美しく燃える様を眺めるという目的もありますので、火をつけた時点で提供しましょう。また、ブランデーのアルコールを完全に燃やし尽くすというわけではないので、飲酒扱いになります。

 

ブルーブレイザー

アメリカのカクテル史にも残る伝説のバーテンダーのひとり、ジェリー・トーマスによって考案されたホットカクテルです。

レシピ的にはウイスキーのお湯割りに近いですが、その作り方が独特で、青い炎が流れるように二つのマグカップを行き来するさまは周囲の目線を釘付けしてパフォーマンス性もバツグンです。失敗すると零れた炎が周囲に引火したりしますので慣れていないとかなり危険な作り方です。まずは火を使わずにスローイングができるようになってからチャレンジしてください。

レシピ

・ウイスキー……60ml

・熱湯……60ml

・レモンジュース……10~15ml

・ハチミツ……10ml

 

銅マグを二つ用意し、二つともお湯(分量外)で温めておく。

銅マグが充分に温まったら片方にお湯とハチミツ、レモンジュースを入れて混ぜる。

もう片方の銅マグにウイスキーを注ぎ込み、ハンドバーナーなどで火をつける。

左右交互に、炎が流れるように4、5回にわたってスローイングを行う。

片方の銅マグに集めた材料を火がついたまま耐熱グラスに注ぎ込む。

銅マグの取っ手の部分が本体に近いタイプですとかなり熱くなって危ないので、事前に持ち手がどれくらいの温度になるか確認しておいたほうが安全です。銅マグの代わりにトルココーヒーで使用されるイブリックを使う方も見えます。

カリタ イブリック300 #52186

 

まとめ

今回ご紹介した11種類のホットカクテル以外にも世界では様々なアルコールの飲み方があります。ソフトドリンクのように紅茶やコーヒーにお酒を加えたり、ハーブやスパイスでアレンジするなど、ベースになるお酒も合わせていろいろと試してみてください。

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