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チーズが大好き!とおっしゃられる方のなかでも、ナチュラルチーズとプロセスチーズの種類の違いをよく理解されていない方が多いと思います。

それどころか百貨店やチーズ専門店が近くにないと、フランスやイタリアなど本場のナチュラルチーズを食べられる機会があまりありません。

お客さまの中には「チーズと言えばプロセスチーズだ!」と言われる方も多く、本場のチーズは臭みや濃厚な味わいが受け入れられないとおっしゃられるます。かと思えば「国産のカマンベールチーズは大好き」とも言われたりします。

反対に、専門店から毎週のようにナチュラルチーズを購入されているようなお客さまの中には「スーパーで購入したナチュラルチーズは食べることができない」とおっしゃられる方まで存在するありさまです。

一体何が原因でこのような問題が発生するのか?

今回はこのことについて一緒に考えていきましょう。

 

 

日本のチーズの分類とは?

まず問題を解決するためには、チーズの定義をきちんと定めなくてはなりません。

日本におけるチーズの分類の仕方についてですが、ここでは4つの項目を挙げることができます。今回は詳しい製法上の違いについては記載するつもりはありませんので、気になる方はこちらを参考にしてみてください。

必見!チーズの作り方!!ナチュラルチーズとプロセスチーズについて | 流しのバーテンダー

その分類というのはナチュラルチーズ」「プロセスチーズ」「ロングライフチーズ」「チーズフードの4つになります。まずはこの違いについてみていくことにしてみましょう。

ナチュラルチーズ

フランス産 白カビのチーズ カマンベール・ド・ノルマンディーAOP (レオ)

全世界的にチーズと言えばこちらのナチュラルチーズ。

原料乳から水分を取り除き、型に詰めて熟成させたものです。

熟成させないものはフレッシュチーズと呼ばれています。

ナチュラルという名前のとおり、チーズ内部には乳酸菌などの微生物が活動しておりますので購入した後でも熟成していく、自然派チーズと言ってもいいかと思います。

また、原材料である牛や山羊などのミルクの種類、餌や飼育の方法、ワインのように生産地の風土によってバリエーション豊かなのが特徴です。

 

プロセスチーズ

QBB キングサイズ プロセスチーズ 800g

日本人には一番馴染みが深いのが、このチーズではないでしょうか。

スライスチーズや6Pチーズなどのプロセスチーズはどこの食卓でも並んだことがあると思います。

製法上の違いは一種類以上のナチュラルチーズを原材料として、乳化剤を加えながら加熱殺菌、融解させていきます。これをフィルムに詰めて成形したものを冷却することによって出来上がったのがプロセスチーズと呼ばれています。

原材料としてナチュラルチーズを使用しているということ。それと乳化剤を添加しているということが、ナチュラルチーズとの最大の相違点です。

ナチュラルチーズとは異なり乳酸菌などの微生物が死滅しているため、ナチュラルチーズのように熟成することがありません。このことは裏を返せばチーズ本体に変化が起こりにく長期保存に適した加工技術と言えます。

味もバラつきがなく安定生産が可能で、ハーブやスパイスなどを使い様々な風味のものを製品化することができます。

 

ロングライフチーズ

[冷蔵] 雪印メグミルク カマンベールチーズ100g

こちらの名称は聞きなれない方が多いかと思います。実はスーパーなどで一般的に販売されているカマンベールなどがこのタイプのチーズです。

何が違うかと言いますと、本格的なナチュラルチーズは上記したように熟成という概念を持ち合わせています。

チーズ専門店などで購入されたカマンベールなどは、時が経つにつれて中心部がやわらかくとろけてきます。スーパーなどで一般的に販売されているカマンベールですとこのようなことは起こりませんよね?ここが専門店で購入できるナチュラルチーズとの違いです。

これは缶詰などを想像していただけるとわかるのですが、密閉容器に詰めこんだカマンベールなどのナチュラルチーズを加熱処理することによって、内部の乳酸菌やカビなどの微生物を死滅させてしまいます。何故このようなことを行うのかというと安定した製品を生産することと、長期保存を可能にするためです。

ちょうどナチュラルチーズとプロセスチーズの間の存在にあたると言えます。

法律上の表記の場合、ナチュラルチーズと記載されてしまいますが、実際には内部が殺菌されているために別物です。

それでは何故プロセスチーズと呼ばれていないかと申しますと、これは乳化剤が使われていないことに由来します。詳しくは後ほど解説いたしますが、法律上ロングライフチーズという項目は存在しないためにナチュラルチーズと表記されています。

 

少しややこしいですが、熟成するものが本格的なナチュラルチーズと思っていただければ結構です。

 

チーズフード

これは一種類以上のナチュラルチーズ、またはプロセスチーズを原料として用い、クリームや脱脂乳、香料や調味料を加えてプロセスチーズと同じ製法で作られたものです。このときに製品中のチーズの割り合いは51%以上なくてはなりません。

名称としてラベルに表記されていますので、商品の裏を確認していただければチーズフードという名前が出てくるかと思います。

 

 

このように日本で販売されているチーズは法律の影響を強くうけており、一般消費者にはわかりずらい表記が記載されているので注意してください。

それでは今度は法律面を確認していきましょう。

 

チーズについて法律上の記載

乳製品についての法律は食品衛生法によって定められております。この中に「乳および乳製品の成分規格等に関する省令」通称「乳等省令」と呼ばれているものがあります。

これによって上記のような分類の違いが生まれてきているわけですね。

乳等省令
第2条
第16項目「チーズ」とはナチュラルチーズ及びプロセスチーズをいう。
第17項目「ナチュラルチーズ」とは、次のものをいう。
一 乳、バターミルク(バターを製造する際に生じた脂肪粒以外の部分をいう。以下同じ。)、クリーム又はこれらを混合したもののほとんどすべて又は一部のたんぱく質を酵素その他の凝固剤により凝固させた凝乳から乳清の一部を除去したもの又はこれらを熟成したもの
二  前号に掲げるもののほか、乳等を原料として、たんぱく質の凝固作用を含む製造技術を用いて製造したものであつて、同号に掲げるものと同様の化学的、物理的及び官能的特性を有するもの
第17項目「プロセスチーズ」とは、ナチユラルチーズを粉砕し、加熱溶融し、乳化したものをいう。

まず第16項目においてチーズフードはチーズから除外されてしまいます。こちらを定めた法律もありますが今回は割愛いたします。

今回重要なのは第17項目です。ここによると原材料をナチュラルチーズとし、乳化させたものとなっております。このことからわかるのは、チーズフードは他の材料を用いていますのでプロセスチーズには該当しません。

続いてロングライフチーズの場合ですが、加熱溶解と乳化が行われていませんのでプロセスチーズとは呼ばれません。また、第17項目の一に矛盾しませんので表記はナチュラルチーズと記載できるわけです。

 

そろそろ全貌が見えてきたところだと思いますのでまとめてみましょう。

何故ナチュラルチーズが苦手にもかかわらず、ナチュラルチーズ表記のものを食べることができるのか。

何故、本格的なチーズを食べなれているにもかかわらず、ナチュラルチーズが食べられないのか。

答えはわかりましたね。

混乱の発端はこのロングライフチーズにあったわけです。

製法はナチュラルチーズと変わらないにもかかわらず、乳酸菌やカビなどの微生物が死滅しており風味やクセが穏やかになって、ナチュラルチーズとプロセスチーズ双方の特性をそなえています。

ラベルの表記を確認するだけではわからない事実がここにあったわけですね。

実際に私も食べ比べているだけではこのようなことは理解できておりませんでした。

 

これにて今回の問題は一応の解決をみたということにしておきましょう。

何かの参考になったのなら幸いです。このような視点からチーズ食べ比べてみるというのもおもしろい試みなので実践してみてはいかがでしょうか。

チーズについて | 流しのバーテンダー

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