goat-milk

独特な発酵臭があり、チーズ好きの中でも好みが分かれるヤギのミルクで造られる「シェーブルチーズ

フランスでは「シェーブルに始まり、シェーブルに終わる」とも言われ、消化されやすく身体に優しいシェーブルチーズは生まれたての赤ん坊の離乳食や老人の介護食にも利用されているほどです。

このシェーブルチーズ。個性があるのはヤギのチーズ特有の香りだけでなく、その形も様々。薪のような円筒形のものから饅頭型、ピラミッドのような独特の形をしたものまであります。

牛や羊など他のミルクから造られるチーズとは味わいや形も一線を画し、成分も異なっているので「シェーブルチーズ」というカテゴリーとして分けられているのです。

チーズ好きを名乗るならこのヤギのチーズ、ぜひとも食べてみたくなりませんか?

というわけで今回はシェーブルチーズについて解説していこうと思います。

 

 

シェーブルチーズの特徴

独特な発酵臭

goat-milk02

チーズの持つ風味はその原材料であるミルクの影響をにうけます。ヤギの場合はブルーチーズやウォッシュチーズよりも、さらに個性的な匂いを持つのでここが好き嫌いの分かれるポイントです。

シェーブルチーズ特有の匂いや酸味はヤギのミルクに多く含まれる脂肪酸から発生しており、ヤギは牧草などが存在していない環境でもあらゆる植物を食べてしまうことに由来しています。これがヤギのミルクの持つ特徴的な風味の素となっていると考えられており、ヤギのチーズ特有の発酵臭にさえ慣れてしまえば他のチーズでは物足りなくなってしまいます。

ブルーチーズやウォッシュチーズなど匂いの強いチーズを食べなれた人たちが最後にたどり着くのはシェーブルと言われています。

 

小型で個性的な形

goat-milk03

ピラミッド型やお饅頭型など様々な形のあるヤギのチーズ。可愛らしい形も多く、見ているだけで愉しくなってきますね。

この個性的な形のチーズたちを食べてみるとわかるのですが、脆くて崩れやすいという特徴があります。

これはヤギのミルクは牛や羊とは異なり、脂肪球が小さく、タンパク質の一つであるカゼインの構成が異なるので、通常の原料乳を固める際に使用されるレンネットによる連結が非常に弱く、崩れやすいという特徴を持っているからです。

結果、牛や羊のような大型のチーズを成形することが困難となり、小さくてホロホロと崩れやいチーズが出来てしまいます。成形の際に様々な形の型(モールド)を使用するのでこのように小型のバリエーション豊かなシェーブルチーズが生まれてきているのです。

 

消化によい

goat-milk04

「シェーブルに始まり、シェーブルに終わる」とフランスで言われているように、ヤギのチーズは消化されやすいという特徴があります。

これは上記の項目「小型で個性的な形」で説明したように、ヤギのミルクに含まれるタンパク質や脂肪球は牛や羊のミルクより小さいため、このことが形の特徴だけでなく消化吸収にも影響を及ぼしているのです。

 

真っ白なチーズ

goat-milk05

ヤギのチーズの断面を見てみると非常にキレイな真っ白となっているのがご覧いただけます。

カマンベールやブリーなどの牛から造られたチーズと見比べてみるとわかりやすいのですが、カマンベールの断面はほんのり黄色がかっています。このチーズの持つ内部の色あいは牛乳に含まれるカロテンが影響しているのですが、ヤギの場合このカロテンの含有量が少ないためとても白いチーズが出来上がります。

真っ白で美しい色あいもシェーブルの特徴の一つです。

 

 

シェーブルチーズおすすめの食べ方

独特の発酵臭から崩れやすい、消化に優しいなどヤギのチーズの個性が理解頂けてきたことと思います。もちろんそのまま召し上がって頂いても美味しいのですが、ここからはちょっとアレンジした食べ方のご紹介です。

 

ハーブやスパイス、ジャムなどを加えて

goat-milk06

ヤギのチーズを食べてみようと思っても独特のクセが強く、ちょっとと近寄りがたいという方にはハチミツやマーマレード、ジャムなどをかけて召し上がることをオススメします。

バケットやトーストに軽くシェーブルとハチミツなどをかければ、独特なクセも緩和され非常に食べやすくなります。そのままバケットに乗せて焼いてしまっても、香ばしく濃厚な味わいが楽しめるのでオススメです。

またスパイスやハーブを和えて食べるとおつまみにも最適で、よく冷えた白ワインと共に召し上がるとシェーブルの新たな魅力に気づかれると思います。

少しアレンジするだけで手軽に食べられる最良の食べ方です。

 

サラダにして

goat-milk07

ほろほろと身の崩れるシェーブルは野菜やフルーツのサラダと相性抜群。ハーブやスパイスを振りかける食べ方からもう一つ手間をかけてオリーブオイルをぐるりとひとまわし。

焼いたシェーブルをサラダにアレンジすれば、パリで人気のオシャレなサラダの出来上がりです。

フルーツも添えることによって、季節の食材や様々な栄養素もとれるバランスのよい食事になります。

 

チーズフライにしてみる

goat-milk08

やっぱり独特なクセが苦手、という方にはパン粉をつけてフライにするのがオススメです。

シェーブルは熱を加えることによって風味が和らぎ、ミルキーで食べやすくなります。

衣にハーブを混ぜてみるとさらに風味豊かに。お子さんや苦手な方でも食べられる一番人気の食べ方です。

 

やっぱりワイン

goat-milk09

シェーブルと相性抜群なのはやっぱり白ワイン。シェーブルは酸味が強いので、同じような白ワインで合わせるとお互いが引き立ちます。

熟成するにつれて水分が抜けて硬くなり、風味やクセも増してきますので、その頃がワインのお供にぴったりです。

 

 

人気のあるシェーブルチーズ

シェーブルチーズが他のチーズとは違う、個性豊かで特徴のある楽しいチーズということがわかってきたでしょうか?

世の中に数あるシェーブルチーズをこれから食べてみたいという方、気にはなっているけどまず勉強したいという方に向けて、これだけ抑えておけば大丈夫というシェーブルチーズについて一つずつ解説していきたいと思います。

 

サント・モール・ド・トゥーレーヌ

薪のような細長い棒状の形が特徴のサント・モール・ド・トゥーレーヌ。表皮が黒くなっているのは木炭の粉をまぶすことによって、酸味を中和させたり熟成のための環境を整える効果があります。さらにこの細長いチーズの真ん中には一本の藁が入っており、これはチーズの型崩れを防いだり、内部に空気を送ってくれます。

若いうちは酸味の爽やかな柔らかいシェーブルチーズ。そして熟成していくうちに硬くなり、ヘーゼルナッツのような香りとコクが生まれます。

一目見ただけで忘れられない特徴的な形がおもしろいサント・モール・ド・トゥーレーヌ。チーズ好きなら一度は試してみたい魅力的なシェーブルチーズです。

☑フランス

☑薪型

 

クロタン

小さなお饅頭のような形が可愛らしいこのシェーブルチーズは、軽やかな酸味と優しいヤギの味わいが特徴です。

またビオという名前の通り、フランス政府認証のオーガニックチーズになります。

同形のクロタン・ド・シャビニョールというチーズからヤギのチーズ専用のナイフ「クロタンナイフ」が生まれ、パリではこのクロタンを温めめたサラダが人気を博しています。

☑フランス

☑饅頭型

 

セル・シュール・シェール

数あるシェーブルの中でも最高傑作と言われるセル・シュール・シェール。ワインで有名なフランスのAOC(原産地呼称統制)を初めて認可されたシェーブルチーズになります。

饅頭型の振りかけられたポプラの木炭はフレッシュなうちは黒く、熟成されるにつれて灰色になってきます。

味わいはきめ細やかで繊細。熟成されるとフレッシュな酸味からしっとりと滑らかな舌触りとほのかな甘みが生まれてきます。

☑フランス

☑饅頭型

 

プリニー・サンピエール

エッフェル塔という愛称を持つピラミッド型のプリニー・サンピエール。

ヤギのチーズ独特の香りは抑えられ、酸味がやや勝るクリーミーで食べやすいシェーブルです。熟成されるにつれて水分は少なくなり身は崩れやすくなります。その分味わいは濃厚で塩味が強くなり、サラダやワインのおつまみとしてもピッタリです。

☑フランス

☑ピラミッド型

 

ピコドン

ピリッとしていて甘い。そんな味わいが名前の由来になったピコドン。

ヤギのチーズとしては甘味が強いのが特徴ですが、熟成が進むとピリッとしたシェーブル特有の辛味が主張してきます。

そのままでも充分に楽しめますが、オーブンでカナッペにしたりパン粉をつけてフライにすることで特徴である甘味を強く感じることができオススメです。

☑フランス

☑コイン型

 

バノン

プロヴァンス地方のハーブを食べて育ったヤギのミルクを栗の葉で包んだ可愛らしいフォルム。

熟成するにつれてとろりとしたクリーミーさと甘味が際立ちます。栗の葉の優しい香りがミルクの味わいを惹き立てさらに魅力的に。

南フランスのスパークリングワインなどと合わせるとグッド。

☑フランス

☑円形型

 

ゴートチーズ

ノルウェーを代表するヤギのチーズ。現地語ではイエトオストと呼びます。

ミルクではなくホエーから造られており、そのキャラメルのような味わいが近頃人気を博しています。ヤギのチーズの中でもさらに個性的なねっとりとした甘味とほんのりとした塩味が楽愉しいシェーブルです。

ビスケットやクラッカーなどと共にコーヒーと味わうと相性は抜群。フルボディの赤ワインなどもオススメ。

☑ノルウェー

☑長方形型

 

 

まとめ

個性的な味わいと魅力的なフォルムが特徴のシェーブルチーズ。その姿形を眺めているだけでも食べたくなってきますね。

とは言っても、その独特なクセのある味わいはチーズ界でもピカイチです。ブルーチーズやウォッシュチーズ。クセのあるチーズと一緒に食べ比べてみるというのもおもしろいですね。

チーズについて | 流しのバーテンダー

その他のチーズに関する記事

8つから把握していくチーズの種類について

今回はチーズの種類についてですが、実はこれ結構、種類分けの方法があったりもします。 世界各国で作られるチーズ。・・・

コメントなし

必見!チーズの作り方!!ナチュラルチーズとプロセスチーズについて

チーズの作り方と聞くと、なにやら専門的な話に聞こえてきますが実際にそう難しい話ではありません。 最近ではレスト・・・

コメントなし

チーズを通販で購入するならネットの専門店でお取り寄せするのがオススメ

美味しいチーズを食べようと思ったとき、まず最初に悩むのがチーズの購入先です。 手軽に購入できるところといったら・・・

コメントなし

ヤギのチーズ「シェーブル」とは?特徴や種類、おすすめ食べ方について

独特な発酵臭があり、チーズ好きの中でも好みが分かれるヤギのミルクで造られる「シェーブルチーズ」 フランスでは「・・・

コメントなし

用途から選ぶおすすめのチーズナイフ!

チーズカッターにグレーター、ギロチンやジロール、ヤギ専用のナイフ……チーズ専用のナイフだけでもすごい種類があり・・・

コメントなし